型枠工事とはコンクリートを流し込むために型を作る工事のことで、この型枠を組み立てる職人が「型枠大工」です。
この型枠工事はお庭を工事する外構工事でも少なからずある仕事の一つです!
そこで外構工事でもする「型枠工事」の組み方(施工方法)について解説したいと思います
ここでは外構工事で門塀を作った時のお話をします!
ちなみに門塀を型枠するための基礎や配筋など参考になる記事は下の「型枠工事の流れ」の概要欄から!
(基礎や配筋はブロックの下地と基本的にほぼ同じで、違うことはベースの幅や配筋のピッチなどです)
道具と材料の準備
1.型枠に必要な道具
- 電動インパクト
- 水平器
- ラチェット
- 型枠サポート
- 単管
- フォームタイ
- ピーコン
- ターンバックル
- チェーン
- 天端鏝
- バイブレーター
- 仮枠ハンドル(インパクトでも可)
- モッコン鏝
2.型枠に必要な材料
- 釘やビス(木材用やコンクリート用)
- 鉄筋
- コンパネまたはパネコート
- 桟木(サンギ)
- セパレータ
- 生コンクリート
- 剝離剤
- 面木(コンクリートに面をつける時のみ)
型枠工事の流れ
この流れは基礎ベースを施工した後の型枠施工する流れになります。
合わせて知りたい基礎や配筋については下の概要欄を参考にしてください(基礎や配筋はブロックの下地と基本的にほぼ同じで、違うことはベースの幅や配筋のピッチなどです)
ブロック積みには基礎が必要はこちら
ブロックベースの配筋についてはこちら
基本的な順序
- 基礎(ベース)に墨出し
- 型枠加工
- 型枠組立
- コンクリート打設
- 型枠の解体
基礎(ベース)に墨出し
型枠を立て込むための基準出しで基礎(ベース)に墨出しをします。配筋の関係もありますので、事前に型枠を立て込む幅は決めておきましょう
型枠加工
立て込む枠の寸法が決まったら必要な枠の大きさに加工していきます。型枠の「高さ」、「距離」、型枠同士の重なる部分(外角か内角)もしっかり考え決めてから加工するといいでしょう。セパレータ、ピーコンの位置も決めて穴をあけておくと、なお良いと思います
型枠組立
型枠の加工が終わったら必要な道具で型枠を組み立てていきます。立て込む前に剥離剤を塗っておく。立て込む際は基礎に出した墨に合わせて立て込み作業を行いますので、自分以外の人に支えてもらいながら組み立てしていくといいでしょう
コンクリート打設
型枠組立が終わったら生コンクリートを流し込んでいきます。流し込む際は、バイブレーターをかけること、高さがある場合はできるなりに足場確保などを段取りしてから流し込むようにしましょう
型枠の解体
コンクリートを流し終わって硬化したら型枠の解体をします。解体した後のピーコン穴を埋めて完了です
型枠の組み方の手順その1。墨出しと型枠の加工をする
基礎ベースに基準となる幅を墨ツボもしくはチョークラインを使い配筋した個所に決めた幅を墨出しをする。(用意したセパレータと同じ幅)
用意したパネコートに桟木(サンギ)を釘で周りに打って取り付けます。「セパレータ」、「ピーコン」などの位置は一定の間隔で穴を空けておきましょう。パネコートが大きい場合はカットしてから桟木(サンギ)を取り付けましょう
型枠の組み方の手順その2。基礎に立て込み方法!
型枠の組み方をできるだけわかりやすく順に解説します。また、この解説と違った型枠のやり方もあると思いますのでご了承ください!
型枠に剥離剤を!
立て込む前に型枠に剝離剤をまんべんなく塗っておきましょう。剝離剤とはコンクリートを打設した後に型からスムーズに取り外ししやすくするための薬剤で、これをするかしないかで確実に違いがあります!
基礎にビスまたは釘止めをする
最初に加工しておいた型枠を片面側の基礎(ベース)の墨に合わせながらコンクリートビス、またはコンクリート釘で基礎に固定していきます。その固定する際はできるかぎり型枠の側面を水平にすると後の傾きがや調整が少なくてすみます!水平がとりにくい時は調整クサビをかませて水平を取るといいでしょう
繋ぎ目の型枠固定
墨に合わせた型枠に次の型枠も墨に合わせて固定。それと一緒に隣同士になる型枠もビスで固定する。型枠の内面は段差がないようにすることで、繋ぎ目が目立たなくなる
ここまでは片面のみ
片面のみここまで組み立てておきます。組み立てた型枠が倒れそうと思った場合は一度仮固定として、垂木や桟木(サンギ)などで控えを取るとよいでしょう!
パンク防止や幅を一定幅にするための段取り
打設時のパンクを防ぐ為と型枠の幅を一定にするため、片側だけ立て込んだ型枠に「セパレータ」、「ピーコン」、「フォームタイ」を取り付けていきます(事前にセパレータが通る穴加工が必要です)
※この材料は大きさや長さに種類がありますので用途に合ったものきちんと選んでください。(門塀の厚みが150にしたいならば、セパレータ150mmを使うなど)
反対側の型枠取付
片側に「セパレータ」、「ピーコン」、「フォームタイ」を取り付けたら反対側も同様に墨に合わせ、加工しておいた型枠の穴にピーコンのを通るように取り付け、フォームタイですべて固定していきます
側面の取付
両側の型枠を取り付けしたら、側面(止め枠)の型枠をビスで取付固定していきます。コンクリートでのパンクや膨らみが出ないようにキッチリとビス止めしましょう。ここまで型枠の表面が多少傾いていても、後に水平は調整することができます
配線について
配線がある場合はここの時点で配線を型枠の外の出しておきましょう。配線を出す位置は間違えないよう事前に決めておくことが大切です!
型枠の内側
型枠の内側は「鉄筋」、「セパレータ」、「ピーコン」で組みあがっています。鉄筋の被り厚さを確保するため「鉄筋スペーサー(ドーナツ)」を使用しています
型枠の組み方の手順その3。固定方法(パンク防止)
型枠の建て込みが完了したら、次は固定です。セパレータやピーコンのみでは完全にパンクの防止はできませんので、サンギや単管を駆使して固定していきます。これを使用することで型枠のパンクを防ぎます!
桟木(サンギ)や単管の取付
桟木(サンギ)を型枠の外側に縦に入るようにカットし、横には単管をフォームタイの上に乗せていきます。サンギは一定の間隔で取り付け、単管をインパクトドライバーもしくはで締めて固定します。
取り付けのポイント
桟木(サンギ)はフォームタイの横付近に固定するようにすると、きっちりとした締め付けができます
締め付けする時に便利なオススメの道具→仮枠ハンドル!!
フォームタイの締め付け以外にもセパレータ回しや、ピーコンの取り外し、余分なコンクリートの削り落としなどがついていて実用性抜群です!
型枠の組み方の手順その4。固定方法(水平をとる)
桟木(サンギ)、単管で固定したら、次は正確な水平を出すために外側からサポート道具を使い、水平を直しつつ、固定していきます
型枠サポートとターンバックルとチェーン
水平を出すには「型枠サポート」、「ターンバックル」、「チェーン」が必要になります。
- 型枠サポート
- 水平が傾いている場合、型枠の倒を押し水平にしてくれます
- ターンバックルとチェーン
- 水平が傾いている場合に引っ張って倒れを起こしてくれるものです
型枠サポート
固定した単管に引っ掛けるようにセットし、傾いてる側を押すように締め回していきます。上側の単管に掛けるようにすると傾きを水平にしやすいです。サポートの下が地面にめり込まないように当て板をすると良いです
ターンバックルとチェーン
型枠が倒れている方向の反対側からターンバックルtチェーンを取り付け、引っ張るようにターンバックルを回していき、水平を取ります。ターンバックルはラチェットを使うと回しやすいです!
この方法をする場合
ターンバックルを掛けるための基礎に鉄筋フックを埋め込んでおく必要があります!(鉄筋フックは基礎ベースを作る時に数か所に埋め込んで準備をしておく必要があります)
型枠の水平を確認する
型枠サポートとターンバックルで水平を見ながら徐々に調整していく。この方法で水平を出すことで両方の力で固定することができる
型枠の組み方。最終確認
固定して終わりとはならずに、打設前に必ず最終的な確認しておきましょう。最終確認は打設中のパンクや傾きを事前に防ぐためです!
確認事項
最低でも次のことは確認しておきましょう
- 縦水平の確認
- 型枠サポートの緩み
- ターンバックル、チェーンの緩み
- 型枠同士の木材用ビスの打ち忘れ
- 木材用ビス打ち込み不足
- 型枠同士の隙間やその他の隙間
これらを確認したら最後に軽く手で型枠を揺すってみてガッチリしているようなら大丈夫でしょう
組立がおわったらコンクリート打設
コンクリートを打設する際、型枠は高さがあると思いますので、できることなら足場を準備できるとよいでしょう。どこまで生コンが入っているか見る為です。生コンは一気に天端まで入れず、数回に分けるようにバイブレーターをかけながら打設するとパンクせずにキレイに仕上がりやすいです
高さがある型枠の打設方法はいくつかパターンがあります
- ポンプ車で打設
- 重機で打設
- バケツで打設
合わせて知りたい「生コンクリートとはどんなもの?配合や強度や養生期間について」はこちら
ポンプ車を手配し、打設を行う
費用が掛かるのが難点ですが、確実に打設しやすいことがメリットです。特に型枠の「距離が長い」や「高さがある」などのコンクリート数量が多い場合には有効な手段です
重機のバケットで生コンを受け取って打設を行う
重機が使用できる場所やスペース、型枠の高さが重機バケットが届く高さであればできる打設方法の1つです。重機のオペレーターが生コンがどのくらい型枠に入ったか見えないことが難点と、型枠や型枠サポートなどに重機が接触しないように注意が必要な作業です
バケツで運び打設を行う
生コンを一輪車などに一度受け取り、バケツに移し替えて手で型枠に流し込む方法で、身体的にかなりの肉体労働になります。生コンの数量が多くない時や高さがそれほどない場合にはオススメの方法でポンプ車に比べて費用も抑えることができます
コンクリート打設後は型枠の解体(脱型)
打設後、養生期間をおいてから型枠の解体をします。これを「脱型」といいます。脱型の順序は型枠を組み立てた逆の順でやっていけば脱型がスムーズにできます
ピーコンを取り外し、穴を埋める
ピーコンを仮枠ハンドルまたはインパクトなどで取り外し、モルタルなどでピーコン穴(セパレータ穴)を埋めます
ピーコン穴(セパレータ穴)を埋めてへこみを作る穴埋め道具→モッコン鏝
これを使用することでキレイに穴が仕上がります!
まとめ
型枠の組立をするには、「道具」と「材料」の準備をする。その次にどの順序や流れを頭に入れておくことでスムーズに進みやすいです。
流れを覚えたら手順通りに「墨出し」→「型枠加工」→「組立(剝離剤、ビス打ちなど)」→「固定(単管、型枠サポートなど)」→「コンクリート打設」→「型枠の解体」というふうにしましょう。時間がかかる作業ではありますので、焦らず作業すればできるようになります。