庭のデザインをするうえで、「石張り」という施工があります。よくアプローチ(通路)などに使われることが多い施工の一つで石の種類によって高級感や重厚感などができ、味わいのあるデザインになります!
この「石張り」について施工するためのやり方(施工方法)やポイントを解説します!この記事を見ることで、より石の張り方が分かるはずです。ぜひ参考にしてみてください!
この方法を知っておくことで他の施工にも応用ができたりします!出来上がった後は最高な気分になります!
床石張り下地の断面
張り始める前にどのような施工方法なのか理解する必要があります。間違った方法で施工すると、石が後に剥がれたり、施工中の下地の時点で高さを間違っていたりと、不具合が生じる場合があります。どのようにして施工してあるか理解しておきましょう!!
下地砕石 | 約10cm程度 |
下地コンクリート | 約6cm程度 |
バサモルタルとノロ | バサ約3cm程度、ノロほぼ厚み無し |
石 | 約40cm程度(製品による) |
基本の断面は上記の通りです!!
下地の準備
石張りをするためのは下地を準備する必要があります。下地なくして石張りはできません!下地とはコンクリートを打ち込みです!下地コンクリートともいい、施工の方法はデッキタイルの下地コンクリートと施工方法は同じになります!!(タイルの貼り方はチェック↓)
合わせて知りたいタイルの貼り方はこちら!
下地の準備ができましたら石張りのスタートです!
石張りの順序
石張りの順序は大まかに以下の通りです!少し違った他の方法もありますのでその方法も順々に解説します!
- 形を決めながら配置して仮置きをする
- 石の加工はハンマーや電動ディスクグラインダーで加工
- バサモルタルを練る
- 下地にバサモルタルを敷く
- 石をバサモルタルの上に置き高さをとる
- 配置、高さが決まったらノロ(セメント)で張る
- 張り後に目地を入れる
ほぼ上記の順で施工しますが、加工などで施工順が前後する場合があります
1 形や位置を決めて石を仮置きしていく!
形を整えながら仮置きをしていきましょう。(形が決まっている製品は加工が必要ないので仮置きのみ)。石の大小を使い分けてデザインしていきましょう。乱張りは施工者によって張った雰囲気(石の加工の形や目地の太さなど)に違いがあります
乱張りは張る人の個性や好みで見た目が変わります!!これはいろいろ見ると違いがあり自分の施工した石張りと見比べると「自分とは違う雰囲気だな~!」と思ったりして楽しいですよ!
乱張りをカッコよくするためのポイント!!
石張り(乱張り)ではカッコよく張るためのポイントがあります。そのポイントを押さえるとより良い雰囲気のキレイな石張りが仕上がると思います!以下の4つがキレイかつカッコイイ乱張りのポイントになります!
- 目地の太さを極端にしない
- 目地の直線を作らない(通し目地)
- 四つ目地にしない(十字目地)
- 石のバランスを見る
目地の太さ
目地の太さは人それぞれ好みがあり、「細いほうが良い」、「太いほうが良い」など意見が分かれたりします。こればっかりは好みがあるので絶対にこれだ!と言うのはありません。が、キレイに目地を見せるには「目地に太さを均一にする」です!!目地を極端に細く太くせず、自分が思った目地幅を決めたらある程度でいいので、その目地幅を均一にするようにするとキレイになります!
通し目地
通し目地とは目地が直線のようになってしまうことです。石を配置する際に端面を合わせてしまうことで一直線に見えてしまう現象です!このようになってしまうと「せっかく乱張りなのに目地がカッコ悪い!」となります!通し目地は避けるようにしましょう!
四つ目地
四つ目地とは十字のようになってしまう目地のことです。この四つ目地も通し目地同様、見た目があまりよくありません!ですが、この四つ目地(十字目地)をまったくならないようにするには職人でも難しい部分ではあります。実際には四つ目地になってしまっている場合も見かけますので、「少し四つ目地になってしまったかな~」と思った程度で気をつければよいかと思います!
石のバランス
石のバランスとは大小の使い分けです。石を張る面積に対して片側面に大きいサイズの石が偏って張ったり、面積の中心に小さい石が集中して張ってしまったり、このようになるとバランスが良くないので、石のサイズのバランス(使い分け)をランダムにしましょう!!
2 石張りのための石の加工方法
石張りをする上でよく加工を行う必要があります。大きさが決まっていて加工が必要ない石もありますが、張り場所のスペースも限られたりするので、やはり加工がないとは言えません!特に「乱張り」といわれる石張りは石の加工がほとんどです!
加工はハンマーや電動ディスクグラインダー
石を加工する際はハンマーで叩いて割ったり、削るように叩いたりする他に、電動グラインダーで加工して形を作るパターンがあります。石の厚みがある製品の場合はハンマーでは思った通りの形にしにくいため電動ディスクグラインダーで加工した方が良いです!
ハンマーで石割り
形がよくない個所や不要な個所をハンマーで少しずつ削っていくように叩いて形を調整する方法です。形を生かして整えるので、より自然な仕上がりになります!慣れないと思ってもない個所が割れてしまったりと難しい施工方法です!
電動グラインダーで切断
石の不要な個所を簡単に加工することができます。切断加工なので、少し自然な感じではなくなりますが、割れることがないので形が整いやすく目地も均一に整えやすいのが特徴の施工方法です!
3 バサモルタルを練り用意する
加工、配置が終わったらバサモルタルを練り準備をしましょう!バサモルタルが無いことには始まりません。石張りをする広さにもよりますが、使う量は多いと思います。モルタルミキサーなど電動機器があると便利で多く練ることができます!
合わせて知りたいバサモルタルの作り方についてはこちら!
バサモルタルは意外と使う量が多いので大きめの容器で練るといいです。
手で練ることにはなりますが、一輪車(ネコ)で練るとそのまま移動しながらバサモルタルを運ぶことができるので楽です!
4.5 バサモルタルを敷き高さをとっていく!
下地コンクリートにバサモルタルを敷き、ある程度プラスチック鏝や木鏝で平らに均します。その上に石を置き高さをとる!高さをとる為クッション性のあるハンマーなどで、割れないように叩きながら高さを調整していきます。低くなってしまった場合はバサモルタルを足しましょう!
バサモルタルはフカフカしているので、ある程度ハンマーで叩きバサモルタルを締め固めるようにしないと、施工中や施工後に沈んでしまう原因になってしまいますので気をつけましょう!!まだこの段階でも仮置きの状態です。この後にノロを使うことになります!
バサモルタルを敷く前の下地に水またはハイフレックスを散布すると接着がよくなります!ゴミやホコリは掃除しておきましょう!!
上記のような形が整っている石などは寸法も測りながら施工しましょう!
その他(バサモルタル以外)の方法はこれ!!
上記ではバサモルタル、その後にノロで張るパターンですが、バサモルタル以外の方法ではバサモルタルを使いません!バサモルタルとノロの代わりにモルタルで張っていくパターンになります!
このパターンの場合はモルタルを敷く前に下地にハイフレックスを塗っておくと接着がよくなります!メリットやデメリット両方あるので、考慮してからやってみてください!
メリット
バサモルタル、ノロと両方作る必要がなく、そのまま張って完成させることができることが最大のメリットです!時間と手間を省くことができる方法と言えます!!形や配置を決めてしまえば早めに完成します!
デメリット
モルタルにそのまま張っていくので、張っている最中に石自体の位置が安定しにくい!モルタルでが硬化するまで歩くことができない!!(硬化する前に歩いたりすると、沈んでしまう可能性があります!!)その上、高さ調整していると目地部分からモルタルがはみ出たりするので、場合によっては大変になることも有り!その他には石を順にモルタルで張っていく方法なので形や位置変更しにくい!
6 石をノロ張りしていく!
配置、高さが決まったらついに石を張っていきましょう!セメントと水をハンドミキサーで練りペースト状に練ります!
ダマができないようにミキサーでよく撹拌しましょう。ダマができるとせっかくの石の高さがダマのによってうまく張れない場合がありますので注意してください!
仮置きした石を一度剥がし、その剥がした部分にペースト状にしたノロ(セメント)をまんべんなく流し込みます!剝がした石を戻し、クッションハンマーなどで叩き接着してください。こうすることで石が剥がれなくなります!張った位置が少しずれてしまった場合はバールやスクレイパーなどで目地に引っ掛けるようにして移動し位置を調整してください!
張った後に汚れがある場合は目地詰めをする前に一度洗い流しましょう!
7 石張り後に目地詰め!
石張り後は目地詰めをします。目地詰めをすることでより一層雰囲気が変わります!目地詰めの方法はタイルの目地詰めと同じ方法です!
まとめ
石張りは施工する人によって雰囲気が変わるものです!その個性や好みを出し、納得できる石張りにしましょう!難しい施工ではありますが、施工の方法を順序よくこなしていけば、少しずつでもできると思います!
形や配置を考えていると、必ず「通し目地」、「四つ目地」で迷ってしまう個所があります!あまり深く考えないようにするのもポイントです!
カッコよくするためのポイント「目地」、「バランス」を頭に入れつつ、自分の思った通りに石を配置してみましょう!